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USNW

 

 既存の樹木と共存して建つ黒い家

 

 黒いガルバリウム鋼板に覆われた

 シンプルな切妻屋根の家。

 道路から見る姿は印象的である。

 開口部を有しないように見える外観から

 内部の様子を伺い知ることは難しい。

 既存の建物を解体し

 建て替えを行ったこの家は

 既存の樹木との位置関係を

 慎重に検討し配置された

 庭を分け入って中に入ると

 そこには大きな開口部がある

 

 既存の樹木が

 ちょうど道路からの視線を

 遮っているのである。

 

 

 陰影のある空間

 

 道路からの目隠しとなる既存樹木は

 室内からは、庭のシンボルツリーとして映る。

 

 このシンボルツリーは

 ちょうどLDKの間口の

 センターラインの延長線上に位置する。

 

 明るく照らされた樹木と

 室内の陰影が対照的だ

 

 板貼りの壁とフローリングは

 屋内から屋外へと

 連続して見えるように仕上げられている。

 

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 坪庭は光の反射板

 

 黒い外壁に穿たれた穴は坪庭である。

 黒で覆われた外壁の中でここだけは

 ライトグレーで仕上げられている。

 

 ここは光の反射板。

 

 反射し拡散した光を室内へ導くのである。

 

 

 光のコントラスト

 

 玄関ホールもまた印象的である。
 陰影のはっきりとしたLDKとは対照的に
 コントラストを抑えた空間だ。

 中庭からのバウンド光が

 白い階段のオブジェクトを

 やわらかく照らす。

 

 

 暮らしのショウケース

 

 玄関ホールと階段室は
 LDKと廊下に隣接する。

 その区画は壁ではなく、ガラス。
 

 透過するガラスは空間に広がりを与え
 コントラストの異なる2つの空間は
 互いにまるで
 ショウケースを眺めるようだ。

 

 

 素材の応用

 

 この家は素材感にあふれている。
 壁はラワンべニアである。
 普通は下地材として使用する材料である。
 それをきちんと割り付けし
 釘の打ち方に配慮し仕上として活用している。

 キッチンの腰壁はコンクリートブロック。
 外構工事で使用されるブロックである。
 これを丁寧に積み上げ
 目地材を丁寧に込んだものである。

 

 

 彩度をあわせる


 個室の壁面は4面全てが違う配色となっている。

 それでも調和がとれているのは、

 使う色彩の彩度をあわせているからである。

 

 

 

 

・意匠設計 : 河澄克典

・竣  工 : 2017年5月

・工事種別 : 新築

・構  造 : 木造在来工法

 

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