SANW
パターンの中に最適解をみつける
特異な三角形状の敷地に建つガレージハウス。
決して広くはない敷地に
クライアントが要望する全ての空間を
配するのは容易ではなかった。
建築家は敷地の形状を活かしこれを実現した。
三角形の中に
幾何学的に複数のブロックを配置した
パターンを複数プランニングし
各所要室が最大限となるパターンを採用した
完成した一見シンプルに見えるプランは
その背景に無数のプランが存在する。
距離をつくる
敷地いっぱいに
計画された家であるが
道路から玄関にはすぐには入れない。
道路から玄関へのアプローチは
単に物理的な距離だけでなく
心理的な距離が存在する。
あえてアプローチをクランクさせて
距離をとったアプローチは
外から内(自宅)へと
空間の移り変わりを緩やかに演出する。
空間の広がり
この家は 敷地を最大限に生かし
建築可能面積の限界まで建てられている。
そんな中にも
空間の広がりと 余剰空間は 忘れない。
徹底的に効率的な空間をつくった上に
設けられた余剰空間
一坪にも満たない 坪庭ではあるが
その視覚的効果と心理的効果は大きい。
この玄関ホールは
この家の 端 から 端 に貫かれている
つまりこの家の内部空間で確保できる
最長の空間である。
さらに
階段と坪庭を取り込み
実際の空間面積以上の広がりを感じることだろう
高さを生かしたLDK
LDKは2階に位置する。
屋根の勾配に従った勾配天井は
LDKに高さ方向の広がりを与える
勾配天井は
まるで レフ板 のようだ。
ハイサイドライトから
差し込む光を反射し
LDK全体に柔らかい光を届ける。
銀のふすま
モダンに仕上げられた和室。
たたみを広く確保する為に
押し入れは中に吊ってある。
銀のふすま紙を貼った ふすま は
取っ手も取り払い
扉としての存在を消して
意匠的な壁として印象付けた
・意匠設計 : 河澄克典
・施 工 : iD pluss (アイディープラス)
・竣 工 : 2019年
・工事種別 : 新築
・構 造 : 木造在来工法
本住宅は 株式会社井上商会 iD pluss (アイディープラス)のプロジェクトにおいて
建築家 河澄克典が 意匠設計を担当したものです。