NIRW
新旧が融合した古民家リノベーション
もとは築70年を超える古民家。
ここには時を経た古民家にしかない趣もある。
リノベーションとは空間の維新であるが
そこに時を経た記憶も残したい。
建築家はクライアントの要望一つ一つに耳を傾け
同時に、この家のエレメント一つ一つと向き合い
新しくするところ、古きを活かすところを決めた。
ここに新旧が融合した、古民家リノベーションが完成した。
意匠性と耐震性・耐候性を考慮した外壁
右が改修前の外観。改修後は黒一色に統一された。
素材はガルバリウム鋼板。
よろい張りをイメージさせる凹凸が施されたものである。
ガルバリウム鋼板は、屋根に使われるほど耐候性があり
外壁材としては最も軽い部類に入る。
今回のリノベーションの目的の一つが「耐震補強」。
建物の軽量化は、耐震性を向上させる。
BEFORE
BEFORE
段差を解消し 家の顔となった玄関ホール
玄関扉を開ければ、新築と見間違うような空間が表れる。
老後に備え、古民家ならではの高い床の段差を解消した。
天井に見える2本の梁は、既存の梁である。
新しい中にも昔の家の記録が残る。
正面にはタイルを貼って、そこに飾り棚を設けた。
ここにはクライアントのお気に入りの陶器が飾られる。
光が降り注ぐ LDK
キッチンは配置から全てを見直した。
壁付キッチンをダイニングテーブルと
一直線に並ぶアイランドキッチンへ変更。
カシスカラーのキッチンは調理場として機能を超えて
LDKの主役に生まれ変わった。
天井裏の空間を活かし 新たに設けた吹き抜け。
吹き抜けの上部に設けた高窓からは 朝日が降り注ぐ
明るく 健康的なダイニングだ。
和室は、表層の改修に留めた。
既存の木部を丁寧に洗い、表面コートを施し
たたみを替え、襖紙をや障子を取替え、壁を塗替えた。
洗いをかけた木部は
明るく生き生きとした印象に変わった。
床の間のベンガラ色の壁が程よいアクセントとなっている。
古きを活かす
BEFORE
下の写真は寝室。もとは たたみ敷き の和室である。
壁面にはたくさんの収納。
既存の かもい によって天井が下がるところは
壁紙の色を変えて、アクセントの天井に。
洋風の寝室に改修
たたみ敷きの和室を 和洋折衷のゲストルームに改装。
既存の木部を活かし、表しにする範囲を調整。
明るい部屋に生まれ変わった。
和洋折衷のゲストルーム
・意匠設計 ： 河澄克典
・竣 工 ： 2018年5月
・工事種別 ： 減築・改装
・構 造 ： 木造在来工法