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南面に窓の無い家
建物が密接する都心では
採光や通風の確保が難しい敷地も存在する
この家は 南面に高層の建物が隣接し
南面からの採光に期待できない。
明るさを半ばあきらめた状態で
スタートした家づくり
しかし建築家はあきらめることなく
様々な手法で光を取り入れ
想像を超える明るい内部空間を実現した。
敷地を最大限活用した3階建て
都心における敷地の広さは限られている。
この家は、敷地を有効活用する為
1階をビルドインガレージ。
2階と3階を居住空間とした。
ビルトインガレージには
縦列により車を2台駐車することが可能だ。
静寂な玄関
道路からのプライバシー確保と防犯の為
1階の開口部は制限されている。
ここには明るさを求めず
落ち着いた空間をつくった。
玄関扉を開けると
都会の喧騒から離れた
静寂な場所が存在する。
離れを演出した和室
玄関の土間を介して
あえて下足を履いてたどり着く和室。
限られた敷地の中の
屋内空間に疑似的に造られた
離れである。
広がりを演出する階段
蹴込板をＯＰＥＮにした階段
その下には玉砂利を敷き
照明を添えた。
単に昇降の為の階段では無く
広がりと癒しを与える階段。
広がりを感じる空間演出
天空の光を取り入れるＬＤＫ
リビングに入ると 誰もが見上げる
大きな吹抜
そのさらに上にある天窓
そしてハイサイドライト
手摺壁に穿たれた窓
自然光は壁に反射し
室内に光を充満させる。
南隣地に高層の建物が建ち
日光を遮っているとは
誰も思わないだろう
都心につくった空の庭
リビングからつづく
インナーバルコニー
敷地面積が限られた都心の家には
有効な手法だ。
ユーティリティースペースとして
休憩場所として
植栽を楽しむ場所として
食事を楽しむ場所として
様々に活用される。
横格子は
通風を促し
外観のアクセントにもなっている
空間に変化を生むスキップフロア
リビングからダイニング
そしてキッチンへは
スキップフロアとなっている。
スキップフロアとは
高低差のあるフロア構成を言う。
1階は居住空間とガレージが存在する
それぞれ必要とされる
天井高さが異なり
これにより生じる高低差を
2階のフロア高さに反映し
スキップフロアを生み出している。
スキップフロアは空間に変化を生み
そこに間仕切りが無くても
場所の区画を感じさせて効果がある。
アクセントを散りばめた水回り
モザイクタイルを施した洗面台
北欧風のクロスで仕上げたトイレ
木目をアクセントにした浴室
クライアントの一貫した好みを感じる水まわり。
飽きのこない
優しく楽しいアクセントが散りばめられている。
・意匠設計 ： 河澄克典
・竣 工 ： 2016年
・工事種別 ： 新築
・構 造 ： 木造在来工法